ご存知の通り、本展は弊社が長年にわたり展開をして参りました「平和の祈り芸術展」のシリーズとして来年の終戦75年に先駆けるかたちで、沖縄のシンボルであり、また太平洋戦争の戦火を今に伝える戦跡として知られる首里城公園に建つ首里杜館を会場として行われる予定でした。
しかしながら、10月31日未明の大火災により首里城正殿を始めとした施設が焼失し、焼け残った区画でも予定されていたすべての催事についての開催をストップせざるを得ない状況となりました。一時は本展の中止もやむなしと考えましたが、首里城公園サイドや代替会場を提供して下さった皆様方のご意見、ご厚意のもと沖縄県立図書館企画展示コーナー、沖縄県立博物館美術館エントランス特設会場、那覇空港国際線出発ロビー4Fの3会場にて開催、またこのように後押しをして下さった沖縄の皆様の心意気に対する恩返しの意味も込めて、「平和の祈り」に加えて「首里城再建祈願」のテーマも掲げた催しとして開催させて頂きました。および、平和の祈り芸術賞の応募作品も併設にて展示致しました。
会期となった11月29日、30日、12月1日は天候にも恵まれ、また最終日には那覇市街をスタート地点とした平和祈念公園コース(日本陸連公認コース)を舞台に第35回NAHAマラソンも開催されたこともあり、本展3会場を含めた那覇の市内には多くの来訪者がありました。また、今回の首里城の火災を受けて市内各地に首里城再建のための募金箱が設置されており、会場側の計らいで、展示場によっては本展に合わせて募金箱を設置してくれたところもありました。こうした様子からも、大きな災いに対して心をひとつにして向かっていく沖縄の人達の強い心が伝わり、こうした団結によって遠くない将来、首里城がまた美しい姿で再建される事を確信しました。