平和の祈り芸術展2019開催報告

会期/ 2019年11月29日(金)~12月1日(日)
会場 /【美術分野】
    那覇空港旅客ターミナルビル、
    国際線エリア4F南北ギャラリー
    【詩歌分野】
    沖縄県立図書館3F・4F企画展示スペース
後援/ 沖縄タイムス社 琉球新報社
協力/ 一般財団法人沖縄美ら島財団

はじめに

 開催報告をさせていただく前に、この度の首里城火災を受けて代替会場を提供して頂いた沖縄県立図書館様、沖縄県立博物館美術館様、那覇空港様(五十音順)、および急遽の話にも関わらず首里城応援のメッセージを届けて頂いた著名人の皆様方、そして何より本展の元来の主旨である「平和の祈り」に加えて、沖縄のシンボルである首里城の焼失に落胆する沖縄の人々へそれぞれの作品によりエールを送って下さったご出品者の皆様方に、深く御礼を申し上げます。

平和の祈りに加えての首里城再建祈願

 ご存知の通り、本展は弊社が長年にわたり展開をして参りました「平和の祈り芸術展」のシリーズとして来年の終戦75年に先駆けるかたちで、沖縄のシンボルであり、また太平洋戦争の戦火を今に伝える戦跡として知られる首里城公園に建つ首里杜館を会場として行われる予定でした。
 しかしながら、10月31日未明の大火災により首里城正殿を始めとした施設が焼失し、焼け残った区画でも予定されていたすべての催事についての開催をストップせざるを得ない状況となりました。一時は本展の中止もやむなしと考えましたが、首里城公園サイドや代替会場を提供して下さった皆様方のご意見、ご厚意のもと沖縄県立図書館企画展示コーナー、沖縄県立博物館美術館エントランス特設会場、那覇空港国際線出発ロビー4Fの3会場にて開催、またこのように後押しをして下さった沖縄の皆様の心意気に対する恩返しの意味も込めて、「平和の祈り」に加えて「首里城再建祈願」のテーマも掲げた催しとして開催させて頂きました。および、平和の祈り芸術賞の応募作品も併設にて展示致しました。
 会期となった11月29日、30日、12月1日は天候にも恵まれ、また最終日には那覇市街をスタート地点とした平和祈念公園コース(日本陸連公認コース)を舞台に第35回NAHAマラソンも開催されたこともあり、本展3会場を含めた那覇の市内には多くの来訪者がありました。また、今回の首里城の火災を受けて市内各地に首里城再建のための募金箱が設置されており、会場側の計らいで、展示場によっては本展に合わせて募金箱を設置してくれたところもありました。こうした様子からも、大きな災いに対して心をひとつにして向かっていく沖縄の人達の強い心が伝わり、こうした団結によって遠くない将来、首里城がまた美しい姿で再建される事を確信しました。

本展に寄せられた沖縄へのメッセージ

 前述のように、「首里城再建祈願」のテーマを加えたメッセージイベントとなった本展では、全国の創作家からの作品を魂のエールとして沖縄に発信させて頂きました。それにともない、沖縄ゆかりの著名人の皆様にも緊急でメッセージを頂き、全会場にて展示、芸術・文学作品に花を添えて下さいました。

【メッセージを頂いた著名人の皆様】
腹話術師・いっこく堂
お笑い芸人スリムクラブ
元WBA世界ライトフライ級王者/タレント・具志堅用高
ジュビロ磐田・田口泰士
西武ライオンズ・山川穂高
福岡ソフトバンクホークス・嘉弥真新也
福岡ソフトバンクホークス・東浜巨
オリックスバッファローズ・大城滉二
オリックスバッファローズ・比嘉幹貴
ミュージシャン kiroro 他
(順不同・敬称略)

 この度は思わぬアクシデントに見舞われ会場の変更という事態となりましたが、大切な首里城を失ってショックを受けている沖縄の人達に少しでもエールを送ることができればとの思いに動かされ、また多くの関係者の方々や出展作家の皆様より賜った励ましのお声に後押しされ、無事開催し、大成功を収めることが出来ました。
 皆様へ最大級の感謝を述べつつ、本展実行委員を代表し、弊社の出版物において評論の執筆をお願いしております美術評論家の面谷哲郎氏による沖縄へのメッセージを紹介し、結びとさせて頂きます。

 平和の祈り芸術展2019実行委員会

 首里城は沖縄の歴史と文化の象徴だった。
 首里城は沖縄の英知と美を集約する、人びとの心のよりどころだった。その突然の焼失を目撃した人の「涙で言葉が出ない」という証言は、深い深い思いを端的に伝える。それは沖縄がたどる、理不尽な苦難の歴史に重なるとも見える。再建には困難な課題も多いと聞くが、正殿前の大龍柱が猛火に耐えたように沖縄の不屈の精神が結集され、かならずや人びとの希望を築くと信じる。
 美術評論家 面谷哲郎