COLORS OF MIND 3.11
記憶と伝承の色彩展

会場:東京芸術劇場ギャラリー1
会期:2021 年 03 月 11 日(木) ~13 日(土)

2011 年 3 月 11 日に東北を襲い、死者・行方不明者合わせて約二万二千人という多くの犠牲を出した未曾有の災害、東日本大震災からちょうど 10 年が経過しました。
本展は震災からの 10 年、言い換えれば震災復興に向けて日本全国が一丸となって走ってきた 10 年、その節目をテーマとしたイベントとして開催されました。
本展の感染拡大対策につきましては、東京都が設定した「東京都感染拡大防止ガイドライン」の遵守を徹底し、各種衛生設備を設けた中で執り行わせて頂きました事を申し上げておきます。詳細は下記をご覧下さい。
・会場は全出入り口を開放し、場内の換気を心掛けました。
・展示や撤去の作業は手袋着用で行いました。
・会期中は受付に手指消毒・検温・来場時ヒアリングシートの各種感染対策設備を設け、ご来場の皆様にご協力をお願いしました。
・スタッフはマスク着用で応対し、また定期的に手指を消毒するなどの対策を心掛けました。

【各展示コーナーの紹介】 アートを通じてメッセージを発信
弊社は、東日本大震災が起こった直後より、被災地である東北地方にメッセージを発信する催しを行って参りました。今回はその集大成にして、被災地に様々なかたちでエールを送り続けてきた10年の総括と位置付け、シリーズの原点であるメッセージの発信には特に力を入れさせて頂きました。全国より集った書道・絵画・写真・テキスタイル(布工芸)・トールペイント・人形・フラワーおよび各種アート・クラフトや図書等の多彩なジャンルを通じて、震災からの10年に向けてのメッセージを伝えるという理想のもと、展示をさせて頂きました。ご来場の皆様からの反応として、現在のコロナ禍における心身ともに不自由を強いられる生活を10年前の震災時と重ねて見えたというご感想を多く頂き、またこうした作品の鑑賞で前向きな心をもらう事ができたというお言葉も印象に残りました。

■文学+福島の伝統工芸 魂の共鳴
弊社が東日本大震災の復興応援を掲げて行ってきた展覧会では、シリーズを通し東日本震災被災地の伝統工芸・伝統産業を用いたオリジナルの展示物を飾ることにより、展覧会のテーマを色濃くし、また被災地の工芸や産業の活性化に貢献して参りました。本展でもその例にもれず、俳句・短歌・川柳の作品は大堀相馬焼、現代詩作品は上川崎和紙。いずれも福島県の伝統工芸および産業と文学のコラボレーションを実現しました。現在、新型コロナウイルスの影響で、我が国の伝統工芸全体が打撃を受けている厳しい追い打ちの状況であり、震災からの10年や現在のコロナ禍、様々な思いが込められてこれらの展示物が存在します。文学作品につきましても東北の伝統と職人の皆さんの思いに負けないだけの傑作・力作を全国から揃え、魂の共鳴を見せてくれました。

■震災伝承館およびメモリアル事業の紹介
10年の歳月をかけ東北の復興は成し遂げられつつありますが、原発事故の放射能問題や震災孤児への支援など、長期的に取り組まなくてはならない問題も多く残っています。震災で失われた命、今後に残された課題、そして教訓を忘れないために本展では東北各地で展開される震災伝承館およびメモリアル事業の紹介コーナーを設けました。
■ご協力いただいた施設・事業各位
いわき震災伝承みらい館、東日本大震災・原子力災害伝承館、認定特定非営利活動法人 桜ライン311、東日本大震災津波伝承館

■東北の子ども美術展
災害に負けることなく、新しい命は芽吹き、育っていきます。そうした未来への希望を感じて頂くべく、福島県の小学校および絵画教室各位にご協力頂き、子ども達の絵を展示しました。

■ご協力いただいた施設各位 福島市立福島第一小学校、福島市立三河台小学校(福島県福島市)、かいがきょうしつリベラ(福島県白河市)

■全国より集った励ましの声
弊社が震災発生直後より復興応援をテーマとした催しの集大成と位置付けた本展は、多くの自治体・公共団体各位からの後援、そして東北ゆかりの著名人の皆様および行政に携わる首長、議員の皆様より多くのメッセージが寄せられました。また、後援先自治体各位より提供して頂いた画像をもとに震災直後の様子→現在の様子を展示し、この10年の変化と意味を来場者の方々に提示しました。

■後援
豊島区、福島県、宮城県、岩手県、南相馬市、浪江町、(公財)福島県観光物産交流協会、(公社)宮城県観光連盟、(公財)岩手県観光協会、三陸鉄道株式会社

■メッセージご提供
俳優/梅沢富美男、俳優/佐藤B作、俳優・歌手/中村雅俊、脚本家・監督・俳優/宮藤官九郎、俳優・タレント/なすび、プロフィギュアスケーター/荒川静香、お笑い芸人/ウド鈴木、お笑い芸人/テツandトモ、豊島区長/高野之夫、福島県知事/内堀雅雄、福島市長/木幡浩、郡山市長 (市長選のため無記名)、いわき市長/清水敏男、南相馬市長/門馬和夫、浪江町長/吉田数博、宮城県知事/村井嘉浩、仙台市長/郡和子、石巻市長/亀山紘、東松島市長/渥美巖、気仙沼市長/菅原茂、南三陸町長/佐藤仁、女川町長/須田善明、岩手県知事/達増拓也、大船渡市長/戸田公明、盛岡市長/谷藤裕明、 ◎電報・郵便にてご送付 参議院議員/若松謙維、衆議院議員/根本匠(順不同・敬称略) 東北の物産を買って応援 都内アンテナショップ紹介店舗
日本橋ふくしま館、宮城ふるさと館、いわて銀座プラザ

■最後に
説明をするまでもない状況ではございますが現在、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が世界規模で拡がり、人々の命や日常を脅かす日々が続いております。
本展の会期中も会場のある東京都近県が政府より発令された緊急事態宣言の解除されないままの開催となってしまいました。しかし実際ふたを開けてみると、そうした中にもかかわらず本当に多くの皆様に来場して頂く事が出来ました。催事に関する制限や規制が多い中、準備を進めて来た事が報われ、またそうした状況下でご出品頂いた美術・文学の制作者の皆様にも面目の立つだけの催しであったと胸を張ってご報告させて頂きます。さらに付け加えれば、本展会期中、マスク越しではありますが多くの人の笑顔が見えました。美術や文学の力は、笑顔をもたらすという事を再認識したと共に、素晴らしい作品をご発表頂いた皆様に、深く御礼申し上げ、本展の結びとさせて頂きます。