『つくりびと』の歴史
　2012年に日本の美術誌史上初のアートフリーマガジンとして誕生した『つくりびと』。全国の創作者の作品を美術評論家・文筆家として活躍する面谷哲郎氏の解説とともに掲載し、全国の美術館や美術大学を中心に約250カ所に配本して参りました。号数を重ねるごとに「掲載作品を直に鑑賞できないか」との要望が数多く寄せられるようになり、2019年掲載作家1,000名突破を機に初めての『つくりびと総合芸術展』開催に至りました。創刊から12年の現在もあらゆる創作ジャンルの作品を紹介する『つくりびと』は、新しい芸術表現の可能性を世の中に広め続けています。

“平成30年間を代表する建築”に選ばれたせんだいメディアテーク
せんだいメディアテークは全面ガラス張りの開放的な空間であり、建物内のチューブと言われる骨組みを貫通する自然光と人工光の昼夜の対比も鮮やか、近未来的な建築様式の公共施設です。現代美術を中心に、国内外のさまざまな展覧会が開催されています。また、約50万冊の蔵書を誇る仙台市民図書館もあり、映画やトークイベントなど映像コンテンツも楽しめる市民の憩いの場でもあります。その会場に負けずとも劣らない斬新な作品や心温まる作品がギャラリーでお披露目となりました。

併設・子ども作品展
「芸術文化の未来を創造する企業」を掲げる国民みらい出版では、毎回開催地の会場近隣の小学生や幼稚園の子どもたちの絵を招待展示しており、今回は仙台市立上杉山通小学校と仙台市立木町通小学校の子どもたちが参加してくれました。子どもたちの元気いっぱいの絵が会場にさらなるエネルギーを与え、多くの来場者を笑顔にしてくれました。

特別展示・能登半島をアートで応援しよう
今年元旦に起きた「令和６年能登半島地震」の被災地に向けてアートでエールを送ろうと、一般財団法人言語交流研究所ヒッポファミリークラブの子どもたちが絵を描いてくれました。同じく有志の〝つくりびと〟たちの作品ポストカードを募金箱の横に設置、募金してくれた来場者に好きなポストカードをプレゼントしました。どのポストカードにしようかと選ぶ来場者の真剣なまなざしがとても印象的でした。

つくりびとたちの創作世界が広がる会場
5月24日～28日の5日間にわたり開催された『つくりびと総合芸術展』は最後2日間雨模様の時間帯もありましたが、会期を通してさまざまな来場者に恵まれました。また、評論家の正岡明先生も来場し、出展者の方々と作品や制作過程について精力的に対話を重ね、予想以上の成果をあげられたようです。会場の階下では同日程で『第28回宮城平和美術展』が開催されており、出展者・来場者ともに両フロアを行き来し、お互いの作品に刺激を受け、芸術交流をあたためる場にもなりました。出展者とその関係者はもちろんのこと、招待展示に出展してくれた子どもたちとそのご家族、地元の方など数多くの来場者で活気に満ちた展覧会となり、主催者としてその責務を全うできたことに胸をなでおろしております。それを支えてくださった出展者の皆さま、関係者の皆さまには改めて御礼申し上げます。