会期 2019年1月27日(日)~29日(火)
会場 マドレーヌ寺院

日本からフランスへ、ギフトとしての展覧会

  “芸術・創作活動を通じて日仏の友好を深める”という目的を掲げ開催されたExpoition de Boites Cadeaux Artisques Japonaisesは、日本からフランスに、そしてフランスを訪れた世界中の観光客に向けてすぐれた日本芸術・文学をご紹介することができました。
 本展では、日本中から選りすぐった様々な創作活動をご覧頂くことをギフトに見立て、芸術作品をギフトボックスに設えて展示されました。フランスでは手間とコストをかけ、アーティスティックな箱を作る伝統文化が知られていますし、日本でもお中元やお歳暮など季節の贈答品を中心として、古くから化粧箱が用いられてきました。中身の贈り物以上に気を遣い、容器や包装にも真心を込めるという文化は、世界共通のものです。この催しは国境を越えて美と真心を伝える贈り物として、フランスの方々に大変喜んで頂けたと思っております。

展覧会の様子

 本展は、2019年1月27日(日)から29日(火)にかけて、フランス・パリのマドレーヌ寺院で開催されました。パリ観光の中心地、オペラ座やシャンゼリゼ通りからほど近く、セーヌ河岸の世界遺産区域に位置している同寺院は、聖女マドレーヌを守護聖人とするカトリック教会で、古代ギリシャの神殿のような建築様式が印象的です。著名なオルガン製作者・アリスティド・カヴァイエ・コルが制作したパイプオルガンがあることでも有名で、クラシック・コンサートも定期的に開催されています。
 寒さが厳しく、会期中は時折雨や雪などの悪天候に見舞われた日もありましたが、期間中は同寺院近くの教会でコンサートが開かれており、会場は芸術の都らしい華やかな雰囲気に包まれていました。
 展示作品はアート、詩歌作品ともども珠玉の逸品と呼ぶに相応しいものが揃い、繊細な美とともに圧倒的な迫力と存在感を発揮して、厳かな宗教的空間である会場に溶け込み、彩りました。出展アーティストの中には日本から本展会場に足を運んで頂けた方々もおりました。また地元パリの人々や観光で訪れた皆様も数多く入場し、石造りのドーム状天井の下にライトアップされて並ぶ芸術作品がより輝きを増している様子を楽しんでいました。気に入った作品をいただきたいという場面も多く見られ、フランスの伝統的な文化慣習と現代日本の芸術文化が融合した化粧箱の新たな物語がはじまったことに、芸術の持つ力を強く感じさせられました。
 本展に特別協力いただいたARTEC(欧州造形美術振興協会)会長であるフランソワーズ・イカ―ル=ラングロワ氏は、フランス芸術学士院の重鎮で建築家の(故)クリスチャン・ラングロワ氏の妻として、長年にわたりその活動を支えてきました。90年代半ばより日本のアーティストをフランスの展覧会に招待する橋渡し役として活躍し、芸術を通じた日仏文化交流に取り組んでいます。期間中は、来場されたご出展者様のためにワインやシャンパンを用意し、もてなしてくださいました。

最後に

 本イベントを大成功のうちに収めることができましたのは、ARTEC(欧州造形美術振興協会)の会長であるフランソワーズ・イカ―ル=ラングロワ氏や同協会の尽力の賜物であり、その原動力となったのは芸術・文学に対する熱意や愛情に他なりません。つまりは、本展の出展者である現代日本の芸術や文学の担い手たちが、美術先進国として名高いフランスの人々を本気にさせるだけの素晴らしい作品を発表してくれたからこその成果です。改めて本展にご出品頂いた皆様と、レベルの高い作品達に心より感謝、御礼を申し上げます。
これからも私たち国民みらい出版は芸術・文化の発展に力を尽くして参る所存です。今後とも皆さま方のさらなるお力添えを賜りますようお願い致します。皆様方のご発展、ご健康を心よりお祈り申し上げます。