会場:首里城公園 首里杜館1F情報展示室およびB1ビジターロビー(沖縄県)
会期:2015年12月20日(日)~22日(火)

 過去数度にわたり国内外で開催してきました『平和の祈り芸術展』は、これまで多くの方々に、平和への願いやメッセージを芸術や文学を通して発信してまいりました。平和な時代に生まれた私たちは、戦争の実態を知らずに育ってきました。しかし、70年前の戦争により多くの命が犠牲になったことを、私たちは決して忘れてはなりません。戦争体験者が年々減少している今、私たちが戦争体験者の思いを継承し、そして後世に伝えていくことが求められています。そこで小社に何ができるかを考え、あらゆるジャンルの創作者の方々にご協力を賜り、『平和の祈り芸術展2015』の開催に至ることができました。
 太平洋戦争の終結から70周年を迎えた2015年という年に、苛烈な戦闘で多大な犠牲が強いられた沖縄の地から、多くの方々に「平和へのメッセージ」をお届けできたことは、小社が長年続けてきた活動に大きな足跡を残すことになったと感じています。また『平和の祈り芸術展2015』のような平和イベントは、世界遺産を抱える首里城公園開園後初の試みであったことからもその重みを感じています。本展開催に伴い、日本各地にある平和記念館、戦災資料館への寄贈のため、出展作品の図録を作成いたしました。この図録が平和で安全な日本を存続させるための、助力となることが小社の願いです。今後も作家の皆様方のお力添えをいただきながら、魅力的な作品を披露できる特別な企画を、ご提案していきたいと思っております。

首里城公園 
 首里城公園は、那覇市首里の見晴らしのいい高台に位置しています。曲線を描く城壁で取り囲まれている首里城公園の敷地内には、多くの施設が建てられており、首里城の他に様々な建築物が点在しています。中でも一番多く目に止まるのは城門の数の多さです。元々は小さな城だった首里城ですが、国王の生活拠点となり次第に増築・拡張され、城門が増えたと言われています。鮮やかな朱色に彩られた建造物は、琉球王国の歴史を見事に復元しており、その絢爛豪華な佇まいをひと目見ようと、国内外から多くの観光客がこの地を訪れています。

展覧会の様子
 開催中3日間、12月にしてはめずらしく夏日という晴天に恵まれ、多くの来場者で会場はにぎわいを見せていました。展示会場は2箇所のブースに分けられており、広々とした空間の中、美術系作品の他に、文学作品と戦災写真を組み合わせた文学パネルや、オリジナル泡盛ラベルが来場者を出迎えていました。作品には、制作者の皆様方からお寄せいただいた、平和に対する願いや祈りが綴られた「平和へのメッセージ」が添えられており、来場者は平和の尊さについて改めて考えさせられたのではないでしょうか。また、海外の来場者も翻訳辞書を片手に、真剣なまなざしで作品とメッセージを交互に鑑賞していた姿がとても印象的でした。
 日本人の豊かな心が紡ぎ出す様々な「平和へのメッセージ」が展示されている会場には、穏やかでゆったりとした時間が流れ、まるで平和を象徴しているかのようにも感じとれました。そして同時に小社が発信し続けてきた「平和への祈り」を国内外から訪れていた大勢の来場者にお届けすることができ、大変意義深い展覧会になったことをここにご報告いたします。

来場者の声
 ご来場の皆様にアンケートのご協力をお願いした中から、一部ではございますがいただいた感想をご報告いたします。

「沖縄の人々に平和を望む気持ちはみんな同じです」
「質感や色を見て心が落ち着くような作品が多かったです」
「平和に対する優しい気持ちが伝わってくる作品が多くて、幸せな気持ちになりました。」
「日本各地でこのような展覧会を開催して、平和のありがたさを伝えていってほしいです」
「全ての作品から平和への思いが感じとれたような気持ちになりました。素晴らしい展覧会だったと思います」
「戦争をイメージしているからか暗い作品が多かったように思います。次回は平和な明るい作品を多く展示してほしいです」
「戦争経験者の声を聞く機会がなかったので、非常に感慨深く、もう少し戦争について勉強してみたいとも思いました」
「作品とともに飾られている作者のメッセージが心にしみて感動しました」
「今こうしていられる全てに深く感謝を覚え、改めて考えさせられる展覧会でした」
「作品の数を増やして期間ももう少し長ければもっと楽しめたかなと思いました」

最後に
 多くの来場者から温かいメッセージをいただき、本展が成功を収めることができましたのは、ひとえに出展者の皆様方のお陰であることは言うまでもなく、心より御礼申し上げます。今後とも皆様方のお力添えを賜わりますことをお願いすると共に、皆様方のご発展、ご健康を心よりお祈り申し上げます。