スカイツリータウン地下3階エントランス
会期 2017年1月27日(金)~29日(日)
タブレットPC×Art
2020年の東京オリンピック開催に向けて東京は今、変わろうとしています。日本の伝統的文化と新しい文化・技術をうまく融合させ、その魅力を世界に発信していくことが求められています。
伝統的なものから最新技術までを含めた新しい表現を模索する中で、今回の展示空間にはデジタル・タブレットアートという形態が最もふさわしいと考えるに至りました。スマートフォンやタブレットは現代人にとって、欠かせないアイテムです。画面上で指を動かして行う操作は、直感的で分かりやすく誰にでも親しみやすい方法です。
従来の展覧会は、実物作品を搬入するリスク、照明や周囲の明るさによる作品の見え方の相違など、いくつかの欠点を伴っています。全ての作品に対して完璧な展示空間を確保することは至難の業です。しかしデジタル・タブレットによる展示では、タブレットが一定の明るさを放っているため、照明のない場所でも作品本来の色合いや華やかさを存分に鑑賞することが可能です。また、ダブレットに表示された作品上に指をのせ拡大・縮小(ピンチアウト・ピンチイン)する方法は、擬似的に作品に触れ細部の繊細さを確認するという、直感的で直接的な大変興味深い鑑賞スタイルです。
東京スカイツリータウンから発信するデジタル・タブレットアートの世界
2017年、新年を迎えたばかりの1月27日から3日間、東京スカイツリータウンにて『芸術文化みらいの眺め展』が開催されました。
今やすっかりお馴染みの都市景観となった東京スカイツリーは、国内はもとより海外からの観光客が多数訪れる、日本を代表する観光名所となりました。その地下3階にある開放感のあるエントランススペースが今回のイベント会場となりました。エレベーター近くのこの空間は、あらゆる国の幅広い世代の方々が絶えず行き交うため、展覧会には多くの方々にご来場いただきました。
会場には、アート・文芸作品を展示するタブレットを5台設置。来場者はタブレットを指で操作して作品を鑑賞し、スタッフに作品の説明などを受けながら、タブレットに映し出される美の世界を堪能していただきました。また、もうひとつの展示として、文芸作品やアート作品で加飾した京扇子が会場を彩りました。日本の伝統文化の象徴である扇子と先進的なタブレットアートで、来場者の目を飽きさせることなく絢爛豪華な展覧会となりました。タブレットでの作品鑑賞は、周囲の明るさや照明の反射など気にかける必要がないこと、作品の細部を拡大し鑑賞することができることなど、今回のような限られた空間での演出に大変適しているということが確認できたことも大きな収穫となりました。新しいアート・文学作品の楽しみ方を東京スカイツリータウンから発信し、芸術作品をより身近に感じてもらえるイベントとなりましたことをご報告させていただきます。
東京スカイツリータウン
2012年5月に開業した東京スカイツリータウンは、東京スカイツリーを中心に商業施設(ショッピングセンター)や、水族館、オフィス、教育関連施設などから構成される大型複合施設です。メインである東京スカイツリーは高さ634m。350mと400m地点に天望デッキと天望回廊が設けられており、50秒という早さで人間を天望地点まで運びます。週末になるとこの“天望シャトル”に乗る人の行列がいまなお途絶えることがありません。そして、312の店舗がテーマごとにエリア分けされた新しい下町「東京ソラマチ」。アパレルショップをはじめ、下町ならではの商店街も軒をつらね、国内はもちろん外国人観光客も飽きることなく楽しめる日本最大級の大型複合施設となっています。
最後に
新たな試みであるタブレットで作品を鑑賞するデジタル・タブレットアート『芸術文化みらいの眺め展』を、無事執り行い成功させることができましたのは、ひとえにご出展いただきました皆様のお陰であることは言うまでもございません。心より厚く御礼申し上げます。
今後とも、皆様方の更なるお力添えを賜りますことをお願いするとともに、皆様方のご発展、ご健康を心よりお祈り申し上げます。
来場者の声
来場者の皆様にアンケートのご協力をお願いしました。その中から一部ではございますが本展に対する感想やご意見をご報告させていただきます。
「きれいな扇子がたくさんあり、その中にある俳句や短歌の美しさが伝わってきました」
「情景が浮かぶ作品が多くて深く感動しました」
「俳句も短歌も素朴で内容が理解しやすい作品が多くて楽しめました」
「様々な色が使われている作品が多く、想像力を膨らませて鑑賞することができました」
「タブレットで鑑賞する展覧会が非常に楽しいと思いました。これからの時代にあっている展覧会の姿だと思います」
「やさしい色づかいの作品が多く心が癒されました。また観にきたいと思いました」
「タブレットがもう少し大きいともっと良かったと思いますが、作品を独り占めできたことに優越感を感じました。」
「俳句、短歌と一緒にイラストが添えられていたのがとても可愛らしく、歌の内容もイメージしやすくて非常に良かったと思います」
「和紙ちぎり絵とは思えない色づかいがとても素敵でした」
「自分の気持ちを解放したいという気持ちがうまく作品に表現されていて感動しました」
「画面に映し出されり作品が面白かったです。」